RukeとLuNaYuの日記
I know the truth.
I know whole.
And I...know you.
平凡な大学生活の日記です。時折まじめな長文を書く病気になります。興味がなければ読み飛ばしてください。
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スピン (2005/12/23(金) 00:08:37)
この休みには読んでおきたい本がいくつかあるのだが、その前に結構な期間止まっていたワインバーグの場の本を読み進めた。というのも、次の節が、最も興味の惹かれる「一般の因果律を満たす場」であるからだ。この節は明らかにこの教科書の構成における一つのハイライトになっていて、オプショナル扱いになっているがここを飛ばすのは滅茶苦茶もったいない。

そのハイライトっぷりを列挙すると、、、

まず、粒子を記述する場の全てがスケールを除いて一意的に決定される様は爽快であるだけでなく、その議論が(いくつかの飛躍はあるにせよ)完全に形式的に遂行され、角運動量とクレブシュ・ゴルダン係数といったむしろ初歩に属するような基本的なツールが決定的な場面で何度も顔を出す様は、物理的な本質が明快に描き出される場面とは全く別の種類の興奮をもたらしてくれる。

また理論の記述に場の微分は必ずしも必要ないが逆に与えられた粒子を記述する場を一つ固定して他の場は全てそれを微分して得る事もできるという注意は、単独では些末な物であるかもしれないが、スカラとして変換するハミルトニアン密度を構成するためにまず「斉次ローレンツ変換の下での既約な変換性を持つような空間座標を変数とする粒子の消滅演算子と半粒子の生成演算子の線形結合」を作り、それを場と呼ぶという全体の流れからすれば自然で意義深い。

スピンとボース粒子/フェルミ粒子の別の関係が空間的な二時空点で場が交換または反交換するという「因果律の条件」から形式的な計算だけによって導かれ、その「因果律の条件」は(名前に反して因果律とは必ずしも関連せず)ローレンツ不変性を保証するためのほとんど不可避的な(ただし必要条件であるとの証明があるわけではなく、のみならずもう少し弱めることもできる。)条件で、それは結局時間に依存する摂動論(これは初歩の基本事項だ)が時間積分と時間順序積によって書かれているのでスカラハミルトニアン密度の空間積分で相互作用を作れば積分は四次元体積積分になってローレンツ不変で、残りの時間順序積をローレンツ不変にするために因果律の条件が必要となる。この一連のめちゃくちゃに強固な論理的繋がりは、まるでスピンと統計性の関係が世界を作る上での技術的な制約から生じているかのような錯覚すら覚えさせる。

そうして最後に、「高スピン粒子の問題」について、「場の理論のこの導入の下では初めから起きるはずがない」として斬って捨てている。ここでも再び、理解の進歩が初学者の教育に還元されるという素晴らしいプロセスが誠実に実行されている。

一つだけ分からないのは、最終的にスピン行列とクレブシュ・ゴルダン係数だけで完全に一般化される以上、ディラック形式の導入にクリフォード代数から入っていったのは、むしろ流れから外れるのではないだろうか。まあ自分にとってレベルが高すぎたというだけだけど。やっぱりスピノルに真面目に触れるのがこの本が初めてだなんて人間はあんまり想定されていないんだろうな。
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