RukeとLuNaYuの日記
I know the truth.
I know whole.
And I...know you.
平凡な大学生活の日記です。時折まじめな長文を書く病気になります。興味がなければ読み飛ばしてください。
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サイエンスウォーズ (2005/07/25(月) 02:41:52)
http://ruke.blog5.fc2.com/blog-entry-120.htmlの続き

真実への熱望という学問の基本姿勢を持っていない人間の最大の問題点は、自分の行なう議論のある(重要な)部分について、それが正しいと自分自身すら確信していないという事、さらにはその部分が正しいのかどうかに興味がないということです。もちろんこのような主張に全く意味がないというわけではありません。どんな主張も(チンパンジーが無作為にタイプライタで打ち出した文章でも)、それが生み出されるに至った動機、姿勢、方法に関わらずそれ自体独立に意味を持つと考える事ができます。真実に至ろうとする強い目的意識という背景を持たない主張の中に考慮に値する主張が含まれていないと考える理由はありません。しかしこのような姿勢に基づく主張は有害なのです。学問という営みの進歩に貢献しないという点において。

こうした姿勢の人間は、明確な目的意識の下で自然科学に接するのではないために、自然科学のある主張に関する``一般的に噛み砕いた''説明に触れて「不思議だ、奇妙だ」と思った時にのみ興味を抱きます。ちょっと知性派ぶるための会話のネタを仕入れるためには、この程度の接し方で十分でしょう。しかしこの人間が、真実に至ろうと努力する姿勢を持たず、それでいて真実の探求者であるかのように振舞っている場合、大抵の場合以下の二つの行動をとります。一つは、その主張をごくごく当たり前の主張へと矮小化した上で、ごくごく当たり前の説明を与える事です。しかしこれによって損をするのはせいぜいその人間自身でしょう。問題になるもう一つの行動は、その主張がある特殊な思想を反映していると考え、さらに世界がその思想を支持しているとまで考える事です。そして最悪なのは、今基本的には無害であるとした前者の行動が後者と結びついた場合です。すなわち、一方ではその主張をごくごく当たり前の主張にすりかえて説明を与え、それでいてその事には無頓着に、その主張によって何らかの特別な思想や議論を正当化するのです。

この場合、この論者が自然科学のある主張を正しく理解していない事は大して問題になりません。きちんと学んで専門家になった物以外は自然科学に関わるな、というのは、他ならぬ自然科学自身の目指す普遍性の一つの側面―誰にでも使える―に反する主張です。問題なのは、この論者が、自分が流用した自然科学の主張が、何を意味していて何を意味していないのか、明確に、正確に(少なくとも自然科学を学ぶ学生が払う程度の努力によって)理解しようとする姿勢を持っていない事です。そのような追求は、彼自身の議論の質を高めるためにも確実に有益なはずにも関わらず、です。そうして進歩への道が一つ閉ざされるのです。

このような人間は、真実へ至ろうとする強烈な目的意識を行動原理として持ってはいません。その代わりにあるのは、多くの場合、現代社会において個人の行動原理として中心的な地位を占める、アイデンティティの確立です。そしてこの事が、真実の追究という学問の営みを、アイデンティティの対立へとすりかえてしまうのです。

#アイデンティティの確立という行動原理自体を、この文章によって批判しているわけではありません。

こうして、このような人々が自然科学を正しく理解していないと批判されると、異なる立場・陣営に属し、異なるアイデンティティを持つ人々からの、自分のアイデンティティに対する``攻撃''であると捉え、``反撃''する事になります。

#件の知人は、http://d.hatena.ne.jp/fer-mat/20050413/p18についても何を一番問題にしているかというと批判力を持っていないことですとコメントしているが、全く同じ事は過去に、ソーシャル・テキスト事件において非常に大規模に起こり、その後もそこここで起きている。

ところで、ここまで私は、真実に至ろうという強い目的意識を持たない姿勢こそが問題であると強調してきました。従って、問題は自然科学(用語)の不適切な流用を行なう思想家、社会学者、哲学者等の自然科学以外の学問分野に携わる人々に留まりません。私達は次の三つの事実を忘れてはなりません。一つ目は、先に夢―自然科学が、人間が生み出し、議論してきた思想、主義、主張に関してまで決着をつける能力を持っている夢―を見たのは、また積極的に自然科学の不思議に見える部分、奇妙に見える部分を強調し宣伝してきたのは自然科学の側であるという事です。そして二つ目は、実際に自然科学の専門家や何らかの形でこの分野に携わる人間によって、単に自分のアイデンティティをより強固な物とするという目的のために他分野の人間に攻撃を加えるという事が実際に行なわれているという事です。最後に、自然科学分野にも、真実に対する誠実な姿勢を持たない人間は(悲しい事に数多く)いるということです。

(続く)
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