RukeとLuNaYuの日記
I know the truth.
I know whole.
And I...know you.
平凡な大学生活の日記です。時折まじめな長文を書く病気になります。興味がなければ読み飛ばしてください。
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ユーセーゾク (2005/08/14(日) 01:42:03)
だから今回の郵政民営化法案の審議から衆議院解散に至るまでの流れで、いろいろな立場の人たちは、それぞれに、誇れる行動をとったとは言い難いと思うのだ。

首相は、自身が疑いようもなく(そりゃそうだ)政治家であるにも関わらず、通俗的な「政治家と役人は馬鹿で阿呆であんぽんたんだ」という通念におんぶにだっこで、「民営化して民間の活力に任せた方が``良いに決まっている''」の一辺倒に終始した。民営化反対陣営が主張する民営化の問題は、彼らの主張の動機がどこにあるにせよ、確かに存在するのであり、それを解決する十分な論理武装を行わない事で民営化反対陣営に全く正当な批判の武器を与えてしまった。また、本質的な焦点が利権の構造を解体する事であった以上、この問題は基本的には自民党内での権力闘争であり、事前に郵政族の力を削ぐプロセスが必要であったにも関わらず、十分に行わなかった。

自民党内の郵政民営化反対派の人々は、つまりは郵政族議員とその仲間達は、利権の構造の下での郵政サービスの硬直化を招いた当事者達でありながら、効率化ばかりを考えて地方を切り捨てようとする悪の独裁者に反旗を翻す正義の味方を気取って、執行部の顔色をうかがいながら安全な位置からの反論に終始し、情勢有利と見るや一挙に群れて廃案に追い込んだ。

民主党は、法案に抜けている民営化後の郵便サービスがどうあるべきか、という視点を補うという役割を放棄し、与党内にも反対派がいる事に乗じて政府とその法案の批判に終始した。これは政治は政府/与党の責任だとして傍観者に徹しながら政府いじめに徹する姿勢で、到底二大政党の一方を自負する政党の姿勢とは思えない。結果的に民主党は、本来彼らが批判の対象としてきたはずの、自民党内の利権の構造に執着して政治を膠着させ利益をむさぼっている政治家達の味方をする事となった。郵政を民営化するべきかしないべきかは直接の問題点ではなく、利権の構造を断ち切る事こそが争点だという事は、自民党内の賛成派も反対派も郵便事業に興味はなく、それをダシにして党内の権力闘争をしているという事だから、自民党内のゴタゴタじゃないか、という民主党の批判は確かに正しい。だからといってそれは、構造改革の進みが遅れる事に対する責任を政府/与党だけが負い、彼らは負わないという事では決してない。衆議院解散後、民主党は自民党から出た造反者達からの距離をおいて立場が異なる事を必死にアピールし、民営化の方法が問題なのだ、とか、あるいは、必要なのは民営化ではなくて正常化だ、などと言って、再び政権奪取を目指しているらしい。だが、常に上っ面だけの政府/与党と対立する立場に満足し続け、改革路線を標榜するライオンハートが首相となれば容易にその立ち位置を見失うような民主党に、一体そんな事が可能だと誰が期待できよう。

そして答えの容易に出ない二項対立の状況を好む(何しろ番組が作り易い!)メディアは、郵政民営化をまさに「郵政民営化の」問題として扱う姿勢に終始し、ライオンハートが否決時には衆院解散と言うようになると、今度は衆院解散が争点であるかのように振る舞い続けた。こうした報道に触れていると、構造改革という大きな事業を忘れ去り、郵政という単独の、小さな、高度に(政治として)専門的な問題について政治家達がそれぞれに強い使命感を持って喧喧諤諤の議論を繰り広げているかのような錯覚に陥る。

#こういう錯覚は、自民党内の造反組みとか民主党などの野党にとって都合が良いのは分かるのだが、ライオンハートにとっては全くの害悪であるはずなのにどうして有効な対策をとろうとしないのか。。。自民党を壊すだ何だいっても、やっぱり体面が気になって党内のごたごたを曝け出したくないのか。今さら国民はそんな事気にしないと思うのだが。。。

そうして今、世論では意外にも郵政民営化に賛成する人が多い、等と報道したりするのだが、少なくともインターネット上では、少し検索してみれば、状況ははるかに一方的であることが直ちにわかる。

そういったわけで、どいつもこいつも不快感ばかりを感じるのだけど、ライオンハートの姿勢だけは、まあ仕方がないのかも、と思っていた。いずれにせよ、結局の所構造改革は早急に行わなければならず、郵政問題はその1ステップだと考えるならば、ライオンハートを支持するか、民主党が政権を奪取して効果的に改革を推進できるという可能性を支持するしかないわけだが、そうすると、とにかく郵政民営化をしなけりゃどーしよーもない、と愚直に唱えつづけるライオンハートの姿勢は、確かに評価に値する。民営化の実際の在り方についての理論武装をほとんど放棄しているような姿勢はやはり気になるが、上で書いた「事前に郵政族の力を削ぐプロセスが必要であったにも関わらず、十分に行わなかった」という点については、実際にそんな事をしていたら何年経っても改革など進まなかっただろう、と容易に想像がつく。ライオンハートは国民に対する受けの良さから強い党内基盤を持たずに総裁、首相に担ぎ出されたわけだけど、逆にその立場を利用して、トップダウン的に改革を進めるというのは、一斉に造反されたら立ち行かなくなるという大きな弱点を持つ物の、現実的に改革が実行され得る唯一の道であっただろう。そして飾り人形としての立場に妥協せずにその道をライオンハートが確かに歩んだというのは、大きく評価できる、、、と思っていたのだが。

ライオンハートのガリレオ発言で大きく幻滅した。

「それでも地球は動いている」は、トンデモ科学、疑似科学な人々が三度の飯よりも好むセンテンスだ。「現在常識となっている地動説でさえ当初は認められなかった。私の説は間違っているという人々は現在の常識に無批判に従ってろくに考えずに批判しているのであり、それでも自分の説を曲げない私は宗教裁判で有罪とされてなお信念を失わなかったガリレオのように評価されるべき人間なのだ」というような文脈で用いられる。

だけれど、ガリレオの話から学ぶべき重要な事は、現在常識とされている地動説でさえ、長い年月をかけた理性的であろうとする知の営みを経て始めて広く認められるに至ったのだという事だ。大抵のトンデモ科学、擬似科学者は、このような「真実と認められる事は時代、文化によって変化する」という事を自身の説や主張に真摯に検討を加えて立証しようとしない事に対する免罪符のように用いる。それは、ガリレオでさえ高く評価されるまでに多く要した歳月を無視し、今この瞬間に手っ取り早く評価・名声を手に入れようとする巧妙心ばかりが先立つあさましい姿勢であり、それ故、「それでも地球は動いている」が引用された瞬間、その人間の真実に対する誠実さには大きく疑念が抱かれる事になる。

その上ライオンハートは、ガリレオ・ガリレイよりもはるかに恵まれた状況にある。宗教裁判で下された有罪判決に否応なく従わなければならなかったガリレオと違い、ライオンハートは、民主的な(少なくともそうあろうとして作られた)社会・政治制度の中で活動しているのだ。そして衆院解散は、国民の意思を問い直すという重要な意味を持つ。そうであれば、ライオンハートのすべきは、単に自身の主張、政策を洗練させ、それを真摯に世に問う事だ。

それにも関わらずライオンハートは、結果として得られるべき評価・名声を今すぐ手っ取り早く手に入れようとするあさましさを見せた。そしてその時私は理解したのだ。どうして、しばしばライオンハートのパフォーマンスと発言、行動が不快に感じられるのかを。ライオンハートのパフォーマンスは、常に、この時代の我々日本国民に向けられた物ではない。ライオンハートの眼には常に50年後の日本人しか映っていないのだ。そんな事は、現在の日本に対しておそらく最も責任を負うであろう首相として許される事ではない。

恐らくはそれが郵政民営化をこれほど強く推進しながら、論理武装がなおざりで、民営化の詳細についてほとんど興味がないかのようであることの理由であろう。ライオンハートにとって、郵政民営化が実現するか、あるいはどのようにして実現するかは実は大して重要ではないのだ。ライオンハートにとって重要なのは、ライオンハートは郵政民営化、ひいては構造改革を推進した偉い首相であり、他の人々は変革を嫌ってそれに反抗するという明確な構造を維持する事なのだ。

結局、誰もが、手っ取りばやく仮想的な敵を作り上げて、行動の実態を伴わずにそれに反抗するヒーローになろうとしている。だが、政治家の評価は結局は歴史が決める事だ。政治家がすべき事は政治だ。政治家が誠実に政治を行なえば、歴史はそれに応える。恐らくこの郵政民営化に関わった全ての政治家は、ライオンハートも、与党も野党も、皆一様にひっくるめて、構造改革を遅らせた人々として評価される事になるだろう。
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