RukeとLuNaYuの日記
I know the truth.
I know whole.
And I...know you.
平凡な大学生活の日記です。時折まじめな長文を書く病気になります。興味がなければ読み飛ばしてください。
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物理学で対称性という場合、その一つの意味は記述方法の任意性だ。空間1次元の相対論的なローレンツ変換対称性について言えば、S:(x,t)による記述から、S':(x'=(x-vt)/sqrt(1-v^2/c^2),t'=(t-vx/c^2)/sqrt(1-v^2/c^2))による記述に以降した場合に同じ物理法則が(xをx'と読み替え、t'をtと読み替えるだけで)流用できるということだ。
しかしこの視点では、対称性から直ちに分かる事は何であるか少し見難いかもしれない。実際大抵のパラドクスでは、物理法則の詳細に踏み込まずに、相対性理論から導かれる主張が、対称性の観点から矛盾すると主張する事を考えれば、対称性が単独で何を言うのかという事を一度整理しておく必要がある。

今、S:(x,t)で、我々の手持ちの物理法則によってある現象が説明されたとする。つまり、ある現象が、我々の物理法則が正しい限りは、起こるとする。

次にS:(x,t)で記述された別の仮想的な現象を考えよう。この現象が実際に実現する事を確かめる一つの方法は、単にそれがS:(x,t)における記述の下で物理法則に従っているか確かめる事だ。

しかしもう一つの方法がある。それは、この現象がS':(x,t)でいかに記述されるかを見る事だ。この時もし、今仮に考えている現象が、既にS:(x,t)において起きるとわかっている現象と(xをx'にtをt'に置き換える事を除いて)同じになったとしよう。すると我々はこの現象がおきると直ちに結論付けることができる。S'においてSと同じ物理法則が成り立つために。

これが対称性のもう一つの意味だ。つまり、ある現象が説明されるならば、その現象に``丸ごと''何らかの変換を施した現象もまたその物理法則のもとで説明される現象だ。

例えば、ローレンツ変換にせよガリレイ変換にせよ、x'=x+a, t'=tのタイプの変換を含んでいる(先ほどのローレンツ変換の表式は特殊な場合の例で、実際にはこのような幾種類かの変換の全ての組み合わせが許される)。これは、第一の意味によれば、大まかに言って東京とニューヨークで同じ物理法則が使えるという事だ。しかしこれはある意味で物理学者だけが関係する、技術的な問題とも言える。つまり我々は常に東京を中心にして物事を記述するとしてもよい。

一方、この対称性の持つ第二の意味は、我々の世界で起こることについてのもう少し直接的な知識を与えてくれる。それは、(前回言及した、我々の感覚的な空間、時間概念と相対論のそれとの齟齬はともかくとして)ここで起こった事はそっちでもあっちでも起こるという事だ。

さてそれでは、相対性理論の最も特徴的なS':(x'=(x-vt)/sqrt(1-v^2/c^2),t'=(t-vx/c^2)/sqrt(1-v^2/c^2))という形の変換は、具体的に何を表しているのだろうか?

ここで少し、多くの人にとってなじみの経験を考えてみよう。それは、電車に乗って発車を待ちながら考え事をしていて、ふと気が付くと既に電車がかなりのスピードで走っているのに気が付いて驚くという事だ。

このような経験は、強く対称性を示唆する。というのも、ある現象が起こる場合にそれに``丸ごと''ある変換を施した現象も起こると言う事は、それらの状況がある意味で``同等''であるという事だからだ。

例えば、先ほどの例の、x'=x+a,t'=tで表される対称性の場合、ある晩私がぐっすり眠っている間に、我が家がごっそりとニューヨークに移動させられるという嫌がらせを受けたとしよう。この対称性によれば(再び我々の感覚的な空間、時間概念と相対論のそれとの齟齬はを無視する)、私は家の中にいる限り中々この事態に気がつく事ができない。気がつく事があれば、窓から外を見たり、TVにいつもと違う番組が映っているのを見たりして、この世界の、「変換を受けていない部分」とのなにがしかの相互作用をした場合だけだ。

さて、この電車の例に関して同様の事を考えよう。すると、どうやら、ある現象を丸ごと「等速運動」させた現象は元の現象と同様に成り立つらしい、と言う事が言える。

実際、ニュートン力学では、粒子間に働く力について「その大きさは粒子間の距離のみで決まり、その向きは粒子間を結ぶ直線上を向く」という相当に強い仮定の下で多くの現象が説明される。現象論的に導入された「力」がこの仮定を満たさない場合でも、よりミクロなレベルまで突き詰めれば最終的にはこの仮定が成り立つと期待された。有名なのは、「逆二乗則」に従うとされる重力及びクーロン力だろう。

ニュートン力学において力とは加速度を与える量である。これが粒子間の距離のみにより粒子間を結ぶ直線上を向くという事は、とりもなおさず、多体粒子系のある運動が起こる時、その運動を丸ごと「等速運動」させた運動もまた起こるという事だ。これは確かに、高速に運動する新幹線の中で、そのとてつもない速度の事など全く気にせずに我々が活動できる事と符号する。ここから得られる対称性はx'=x-vt,t'=tと書かれる。これを(狭義の)ガリレイ対称性と言う。
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