RukeとLuNaYuの日記
I know the truth.
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And I...know you.
平凡な大学生活の日記です。時折まじめな長文を書く病気になります。興味がなければ読み飛ばしてください。
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リョウーシリキガクニダイ (2005/11/29(火) 04:12:23)
清水明先生の一般向け記事が載っているので別冊・数理科学「量子力学の発展」を買ったんだけど、驚いた事に、以前考えた事がピンポイントで載っている。

一つは、学科の掲示板で電子は「原子核の周りをくるくる回っているのか?」という話題が出たときに、教科書的解答は、存在確率の分布が雲のようにどーちゃらこーちゃら、という話になるのだろうけれど、波動関数が波束の状態にある時、ちゃんと古典力学に従うという話はどんな教科書にも書いてあるわけで、適切に波束の状態を用意してやれば楕円運動すらするのではないか、そもそもある条件が満たされれば電子の状態は自然に波束の状態にあってまさに楕円運動をしているのではないか、という事だった。その時、不確定性関係に関する簡単な考察と(δEδt~hからエネルギーの不確定性はできるだけ小さい方が波束の持続時間が長いと考えられる。それは運動量の不確定性が小さいという事だから位置の不確定性は必然的に大きくなる。それでも空間的に局在した波束が楕円運動しているというような見方が可能なような時間発展が実現するためには、楕円運動の半径は大きい方が好ましい)固有状態が非常に密に分布しているという事から、束縛されているが(E<0)非常に高エネルギーなケースについてこのような事が期待できるかもしれない、と考えた。

で、正にその事が江沢洋「だれが原子内の電子軌道を見たか」という記事で扱われていた。しかもこの話題は何とシュレディンガーまで遡るという事だ。シュレディンガーは彼の波動関数が完全に粒子として振舞う、つまり不確定性関係で記述される広がりを持つだけで波束は崩れる事なく古典的粒子のように運動するという事を示したかったらしく、現代的な視点からは(というか分散関係のある波だから当然だが)それは全くあり得ない事だ。しかしいずれにしても、エネルギー固有状態が非常に密に分布する高エネルギーの束縛準位では十分良い波束が作れて一定期間崩れないようにする事ができるという考えは全く間違ってはいない。記事中では、球対象で動径方向に関してのみ振動する波束を作って、それが原点から離れたり近づいたりする振動の周期がまさにケプラー運動の周期と一致した、という実験について述べられていた。方向の局在化についての実験もあるという。

もう一つは、以前あまり深く考えずに書いた、量子力学では時刻tはパラメタとして扱われているとは言っても、時計の読みは物理量なのだから、Δt経つとΔt増えるような物理量を考える事は十分できるな、という事だ。そのような物理量を表す演算子Tは定数倍は適当に処理すれば[H,T]=iを満たす事がすぐにわかる。

で、この時はそこで止まってしまったのだけど、この本の中の記事に、「一般にTのような演算子があれば、エネルギーの固有値が連続的に任意の値をとる事になり、Hの正定値性や離散的固有値と矛盾するのである」と書いてある。これも、シュレディンガー、パウリの昔にまで遡るらしい。

#Hの正定置性と書いてあるが、具体的には固有値が最低値を持つという事。これは安定性のために要請される。

んで、まじかよ、と思って、次いで、大して難しくなさそうだから自分で確かめてみようと思って、次いで、そもそも証明するまでもなく明らかな事じゃん、と思った。これは清水先生の教科書で、古典論の正準変換に対して正準量子化の下で得られる量子力学が(そもそも一意でないので当然なのだが)不変ではないという事を説明するために極座標の動径距離rと正準共役なうんどう量p_rを挙げていて、この話題を説明するのにくどくど計算するのでなしに(ちなみに駒場四学期の演習問題でこのような計算があった)フォン・ノイマンの一意性定理で一発で片付けていた。今回もそれと同じで、こんなx,pと同種の交換関係が満たされるなんてことがあったら、Hの固有値スペクトルは直ちに[-∞,+∞]に決まってしまう!

これくらいは自分できちんと考えるべきだったな、と思ったのだった。
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