RukeとLuNaYuの日記
I know the truth.
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And I...know you.
平凡な大学生活の日記です。時折まじめな長文を書く病気になります。興味がなければ読み飛ばしてください。
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ウエイブファンクション (2005/12/13(火) 00:20:04)
大学一年の時、構造化学の授業で``波の方程式のド・ブロイの関係式を用いたシュレディンガー方程式への書き換え''をやった。で、その時は、そんなあほな、と思った(というか、少なくともこの手の議論を演繹的な導出と見なすのは誤りだ)のだが、最近少し考えが変わった。

現代的な視点から量子力学の枠組みの中で波動関数やシュレディンガー方程式を自然に特徴づけるならば、それは、正準交換関係のシュレディンガー表現という事になるだろう。フォン・ノイマンの一意性定理を背景にヒルベルト空間を明示せずに議論してその位置演算子のデルタ関数で規格化された固有ベクトルによる展開係数を波動関数とするとしても良いし、あるいはヒルベルト空間としてL^2空間を採用している(つまり波動関数が状態ベクトルそのもの)と見なしても良い。いずれにせよ、この視点の下では、相対論的な波動方程式をシュレディンガー方程式を真似て作ってみて(クライン・ゴルドンね)、まともな確率密度と確率の流れが構成できないという困難に直面し、それを解決するために``因数分解''してディラック方程式を得、スピン自由度が自然に出てきたとか反粒子の存在が予言されたとして喜ぶという歴史的な流れは、どうにも位置付けようがない。シュレディンガー方程式がヒルベルト空間上での固有値方程式を表している以上、二回微分がある事に問題意識を持つというのは理解し難い事だ。

しかしディラック方程式の重要性は疑いようがない。

そうしてその``導出''を眺めてみると、それ自体は、ディラック方程式が何であるのかについては何も言っていない事に気が付く。

つまり、ある時期の、この種の``波動関数''を相対論的時空の各点への値の割り振りという意味での「場」として捉えようとする混乱や、確率密度と確率の流れがまともに定義できるかどうかが主要な論点となる状況を継承する必要がないだけで、「電子場とでも言うべきもの」が満たすだろう方程式をひねり出してみるというプロセスには十分に意味がある。重要なのは、そうして得られた物が物理にどのような形で登場するのかは、その時点では何も分からないという事を意識する事だが、意味が明らかでないものにはまた必ず何らかの意味があるだろう。

そしてシュレディンガー方程式の``導出''に戻ってみると、それは「波を特徴付ける量を物質を特徴づける量に書き換えて、物質波の従う方程式とでも言うべきものをひねり出す」というプロセスであって、その動機には十分な正当性がある事に気が付く(歴史的にも大体似たような事が行われたわけだし)。それは例えて言うならば次元解析に似ている。次元解析が直ちに何かを意味するわけではない。しかし次元解析が何も意味していないという事もほとんどない。シュレディンガー方程式の場合も、その意味を限定せずに、``物質を特徴付ける量(特に質量)によって記述される物質波の方程式とでも呼ぶべき何か''と認識する事は決して無益な事ではない。実際その下でクライン・ゴルドン方程式とかディラック方程式への道が繋がる。そしてそれは実際にクリアーな視点が得られる前の混沌とした時代に歴史が辿った道そのものだ。

ところで、そうして考えてみると、量子力学の枠組みから自然に導入するという事の代わりに、ほとんど次元解析のノリでシュレディンガー方程式を``導く''事ができるのだから、シュレディンガー方程式と形式的には全く同じ方程式が、量子力学の通常の文脈とは全く異なる思いも寄らない所で出てくるというのは、案外あり得そうな事だと思うのだがどうなのだろう?
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