RukeとLuNaYuの日記
I know the truth.
I know whole.
And I...know you.
平凡な大学生活の日記です。時折まじめな長文を書く病気になります。興味がなければ読み飛ばしてください。
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ポパーの一節 (2007/08/20(月) 04:24:38)
結局確率の話以前に境界設定問題というか批判的議論についてのポパーの見解から順に読んでしまっている。自分がいつも考えてきた事を、たくさんの文献とたくさんの論者を引用できる人が饒舌に語ってくれて、まるで目の前にいて会話しているよう。いや、こういう時こそ批判的な議論が必要なわけだけど、たまにはさ、権威が味方についた事を喜んで良いんじゃないかな。それぐらい最近気弱になっているのです。

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形而上学的実在論は、『科学的発見の論理』のテーゼのひとつではないし、どこにおいても前提の役割を果たしてはいない。にもかかわらず、形而上学的実在論はまさしくそこにある。それは、一種の背景となっていて、真理の探索を意義あるものとしている。合理的な議論、すなわち真理により接近するという関心のもとでの批判的な議論は、客観的実在なしでは無意味である。

中略

この断固とした実在論は、はっきりとは語られていないかもしれないが、『科学的発見の論理』にしみわたっていて、自分としては多少とも誇りに思っている一面である。

中略

わたくしの議論とはこうである。わたくしは、バッハやモーツァルトの音楽を自分で作曲したのではないし、またレンブラントの絵やボッティチェリの絵を自分で描いたわけでもないことを知っている。そんなことができるわけがない。

中略

この議論は、もちろん決定的ではない。

中略

わたくしにできることといえば、この議論で満足だと繰り返すことだけである。それはおそらく、そのような議論を本当には必要としていなかっただろう。これまで、他人の心や物体の実在性を疑ったことさえないし、そんなふりをするつもりさえない。そのような議論を考えると、独我論(またはより一般に、他人の心の存在に対する疑い)といったものは認識論の一形態というよりも、誇大妄想の一形態ではないかといつも感じざるをえないのである。
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「実在論と科学の目的」 上 カール・R・ポパー第一部第一章7(抜粋)


夢と比較した時この世界は特別に豊かで、特別な一貫性を持っている。それ故に我々は科学がうまく行くと確信して科学を進める。それは我々が許容する唯一の先入観であり、それを根拠なく信じる事は誇りとすべきバックグラウンドなのだ。自分の固有のバックグラウンドに固執しないならばそれはその人間が客観的であるからではなく、何が真理であるのかに全く興味がないからだ。

背景と動機の重要性は僕ら学生が暗黙のうちに叩き込まれる事で、それはそれが慣習であるからでなく合理的であるからなのだけど、それがきちんと理解されてなくって、多分それが何もかもめちゃくちゃにしている(背景と動機の重要性もまた別のところでポパーはきちんと議論している)。観察していない時に月は存在しない、なんてそんなわけあるか、と声高らかに主張できない人間を教育が量産してしまっている。僕は何でも教育のせいにするのは全く正しい事ではないと思っているけれど、これは、教育によって解決できる問題で、解決すべき問題だろう。つまりそうした事は明示的に議論されるべきだ。

#教養課程で「科学史」なる講義はあったけれど僕は内容を知らない。それにこうした事は理系分野の専門家が責任を以って扱うべきだろうと思う。

僕は学部時代に科学史、科学論の分野に目を向けるという事をほとんどしなかったのだけど、隠れた有名人ですらない、文句なしの超有名人がこれだけ素晴らしい仕事をしているのだから、これは読むべきであった本だ。
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