RukeとLuNaYuの日記
I know the truth.
I know whole.
And I...know you.
平凡な大学生活の日記です。時折まじめな長文を書く病気になります。興味がなければ読み飛ばしてください。
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マナーオブケータイ (2005/05/13(金) 03:18:50)
携帯電話の車内マナーという奴が嫌いだ。特に、その形成された経緯が。

僕自身携帯電話というツールは余り好きではない。しかしマナーという言い方は個人の内面にまで踏み込んだ概念だ。その押し付けがましさがまず頭にくる。だからまずここにはっきり書いておこう。少なくとも僕は、電車内で携帯電話を使っている人間がいても気にしない。

マナーという物は十分に長い期間をかけて自然に形成されていく物のはずだ。全くあたらしい、そして多くの人が所持するようになったツールが出現すれば、社会的な合意のあるマナーの存在は期待できないから、各々の場所、空間、状況において上位的な立場にある人間や組織が大体合理的と思われる規則を定める事になる。そういう物であったなら納得もいっただろう。

だが実際には、マナーが滅茶苦茶性急に作られた。それは鉄道会社にたくさんの苦情が寄せられたからだ。しかし当たり前の事だが、車内で携帯電話を使いたいと思っている人や使っている人がいても気にしない人はわざわざ鉄道会社に連絡したりはしない。鉄道会社は何のポリシーもなくただ苦情をなだめるためだけに表面的な対策を行った。別に彼ら自身が何らかの根拠があって携帯電話を問題視していたわけではなかったから、その対策は車内アナウンスのような、大した効果のない、対策をしているという事実を作るためのものでしかなかった。そして何の拠り所もないから、その後ろ盾を存在しないマナーに求めた。しばしば見られる「お客様のマナーに期待する」という言い回しが、どれほど大きな要求を客に対し行っているのか、全く認識しないで。単に規則に従うというのみならず、ある特定の価値観を受け入れる事を要求するという行為は著しい暴力性を持っている。

だけれど、そうした車内では携帯電話を使ってはならない、という風潮が強まるにつれて、きちんとした対策を行って車内マナーを徹底させよ、という声は強まり、そして同時に車内で携帯電話を使ってはいけないなんておかしい、使えないと不便だ、という声も大きくなっていった。

すると、(似非)マナー、つまり社会正義なんぞを不用意にも後ろ盾にしてしまった鉄道会社は身動きできず板ばさみになる。このストーリーの我慢できないほどの醜さは、この時点で、ペースメーカーが電磁波により誤動作を起こす問題が、議論の落とし所として担ぎ出された点だ。

その結果として、もともとは車内で携帯電話を使うな、というのは一部の人間の個人的な感情に基づく主張(どこかの時点で公正な判断が行われるのならばこの事自体は悪い事ではない)だったのに、論点がすり変わって、それにも関わらず陣営の支持者はほとんど移動していない。

また、本当にペースメーカーの誤動作に問題意識があるならば、改めてその問題意識の下に真摯に問題を検討すべきなのに、それはほとんど行われていない。本当にそこに問題となるポイントがあるのならば、現在の車内マナーの不徹底は大きな問題だろうし、ペースメーカー側のシールド技術の改善も考えるべきだろう(これは皮肉や逆説ではない。つまりこのストーリーで腹が立つのは最終的にペースメーカーの誤動作問題が決着をつけたにも関わらず、ペースメーカーの使用者はほとんど利益を受けていないということだ)。

そうして結局、携帯電話は十分近くないとペースメーカーの誤動作を引き起こさないという事実(調べてみたら安全性のためにマージンをとって22cmだそうだ)が対立構造の妥協点を作り出すために利用され、優先席付近では利用するなとか、混雑時には利用するなといった歪なマナーがはびこる事になった。ペースメーカーに関する「科学的」な根拠を後ろ盾としていない、奇数車両ではうんんちゃら、偶数車両ではなんちゃら、等はその投げやりな潔さに感服するが、一体こうした規則を考えた人間は、誰かがこうした規則を守るなどと本当に期待しているのだろうか。

こうして、ペースメーカーの誤動作という疑似科学によるどう考えても現実的でない八方美人な「マナー」がいくつも考案され、それらは社会的に合意を受けたマナーであるかのように偉そうに振舞い、それでいて実際には人々の携帯電話の所有率は相当な割合を占めるようになって誰もがマナーなど気にせずに車内で携帯電話を使用している。主義主張がどうたらという事以前に、このあまりに歪んだ状況が、吐き気がするほど嫌でならない。
#ここで疑似科学と言っているのは、進化論が優生思想の根拠とされたように、科学的事実が特定の考えの根拠として歪んだ形で用いられているという意味です。つまり、ペースメーカーが誤動作するという問題はもちろん車内で携帯電話を使うべきではないという主張を補強するものですが、車内で携帯電話を使っている人に対する苛立ち等の感情を指示する物であるかのように利用されたのが問題なのです。ペースメーカーが電磁波によって誤動作を起こすということ自体は事実ですし、その影響は大部分の製品と常識的な状況の下ではごく小さいとは言っても、生命維持に直結する装置である以上最大限に安全策をとるべきという考えは間違っているわけではないでしょう。
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