RukeとLuNaYuの日記
I know the truth.
I know whole.
And I...know you.
平凡な大学生活の日記です。時折まじめな長文を書く病気になります。興味がなければ読み飛ばしてください。
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少年による殺人事件の増加に対する理由付けとして「暴力描写が頻出し死んでも生き返るゲームや漫画」によって死の重大性を理解できていないという主張がある。この主張はいろいろ批判されているけれど、少し毛色の変わった問題提起をしてみたい。

それは、「人は死んでも生き返る」と思っている人間は、わざわざ人を殺したりしないということ。人を殺すという行為の目的は、人におよそ最大限のダメージを与える事なのだから。

確かに死というものを理解していないために無邪気に人を殺してしまうというケースはあり得るだろうが、それにはそうとう特殊な環境が必要だ。死の意味を軽くする類の描写にさらされる事がそうした環境の形成に一役買うという可能性は否定はできないが、ともかく現段階ではレアなケースであるはずだ(これは本来の意味での確信犯という奴だ)。また、加減がわからずにやりすぎて死に至らしめるという事故性の強いケースも暴力描写の寄与を否定できないだろう。しかし、やはりこれもレアなケースだ。意図的に行われる殺人は基本的に激しい敵意の下で行われるか(保険金目的のように)明確な打算の下で行われるかのどちらかだ。いずれにせよ殺人という物は極端な行為であって、少年が主体であるからといってそこにどうにかして日常性を見出そうとするのは誤りである。

#京極夏彦の「おんもら鬼の瑕」はこのような特殊な環境を実際に構築しようとした小説なわけですが、不自然さ、人為性が色濃く残ってしまうという結果に終わりました。ってネタバレ?まあ関口先生にプロローグで見抜かれる仕掛けは仕掛けとは言わないということで。

確かに、暴力描写が殺人に対する精神的な障壁を引き下げているのは確かであると思う。しかしそれは、こうした描写にさらされると死の意味を軽んじるようになるということでは決してないのだ。それどころか、大抵の場合残酷性が増すほど暴力描写は問題視されるけれど、残酷性を増すという事は暴力によるダメージを強調するという事だ。もちろん、残酷性が増すほど暴力をふるわれた人間が生き返る事はなくなる。

実際に起こっている事は「それまで気づかなかった選択肢の存在に気づく」ということだ。

人が他者に対して激しい敵意を憶えた時、殺人という行為に至らない最大の理由は道徳でも倫理でもない。もちろんそれらは理由の一つではあるのだけれど、重要な事は、生まれたときには既に形成されていた社会的な道徳観や倫理、そして周りの人間の一般的な言動にさらされて人生を送ってきた人間は、単に「殺人という選択肢に思い至らない」という事だ。

僕らはあらゆる時点で自由意志に従って行動を決定するけれど、その際可能な行動のうちのほとんどの可能性を初めから排除し、非常に限られた範囲で行動を選択する。殺人はまさにこの排除されている選択肢だ。暴力描写はこの選択肢の存在に気づかせてしまう

特定の行為を唆すならばともかく、単に可能性を提示するだけならばそれは悪とは言えない。むしろ、選択に関する主体的な自由が存在する限り、可能性が増える事は「最悪でも0でマイナスにはならない」出来事だ。むしろ、殺人という選択肢に気づく前は、決して死の重大性を正しく理解して行動していたとは言えず、殺人という選択肢が目の前に現れて初めて人は暴力と死について思考する必要性に直面するとも言える。

しかしそうなった時に、状況によっては人は容易に殺人を選択してしまう。それが人の弱さという物なのだろう。そしてこの事実こそが人々の不安を掻き立てるのだろう。この事実に向き合いたくないという感情こそが、少年犯罪に分かり易い理由付けを求めるのだ。

なお、「殺人という選択肢という選択肢の存在に気づかせる」という点で最も影響力の大きいのはゲームでも漫画でもなく、犯罪報道そのものである。特に少年犯罪の報道自体が、無意識に「犯罪は大人の物」と見なしていた少年達にその可能性を提供した。そうなれば、「0」は「一定割合」とならざるを得ないのである。
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コメント
この記事へのコメント
少年犯罪件数は減少しています。
2005/03/06(日) 00:40:04 |小田啓太|URL | #wr.8gKW6[ 編集]
ご存知かどうかは知らないけど少年犯罪件数は減少しています。「無意識に「犯罪は大人の物」と見なしていた」はどうかと。
また、JRで駅員に絡む率が一番高いのは50代です。
http://kangaeru.s59.xrea.com/
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